改正雇用保険法が成立!
今年度に雇用保険料率が2段階で引き上げ
厚生労働省より、2022年度の雇用保険料率に関する方針が示されました。雇用保険料の引き上げを柱とした「改正雇用保険法」が成立し、本年の4月、10月と2段階で引き上げられる見込みとなります。
4月からの雇用保険料率 :9/1000 ⇒ 9.5/1000(一般の事業)
10月からの雇用保険料率 :9.5/1000 ⇒ 13.5/1000(一般の事業)
実務的にはどのような影響があるのか、確認していきましょう。
【年度更新の雇用保険料が上がる(2022年度の概算保険料)】
2022年4月1日〜9月30日に適用される保険料率では、「雇用保険二事業」のみ、0.5/1000引き上げ(事業主負担のみ)となる予定です。
変更されるのは事業所負担のみなので、労働保険料集計の計算には関わってきますが、給与計算には関係しません。
【10月締分の給与計算からは、雇用保険料率を変更しなければならない】
2022年10月1日〜年度末に適用される保険料率では、「育児休業給付」は据え置き、「失業等給付」が4/1000引き上げ(労働者・事業主負担ともに2/1000引き上げる)となる予定です。
事業所負担だけでなく、労働者負担も変更になるので、10月締分の給与から雇用保険料を3/1000→5/1000に変更して控除しましょう。
【従業員負担分の雇用保険料率変更の漏れ防止に注意】
今回は従業員給与の雇用保険料率の変更が10月分からになる予定です。
給与計算担当者は、変更時期と変更率をあらかじめスケジュールにメモしておくなど、対応漏れのないようご注意ください。
【年度更新の対応の変化に注意】
今年度の年度更新は、2021年度確定保険料と2022年度概算保険料を申告・納付します。現時点で、2022年度概算保険料の申告については、
前期(2022年4月1日~同年9月30日まで)
後期(2022年10月1日~2023年3月31日まで)
に分けて、集計した賃金総額の1/2に相当する額と該当期間の料率で計算した額を、2022年概算保険料として申告・納付することが予定されています。
正式な具体的な計算方法や様式については、厚生労働省の発表をお待ちください。
その他にも、以下の内容等が盛り込まれる予定です。
・雇用情勢が悪化し積立金が枯渇している場合には、一般会計から雇用保険に資金を繰り入れできる制度
・会社退職後に企業し、その後廃業した場合に失業手当を受給できる期間が、退職後1年→4年までに延長される制度
雇用保険法 改正の背景
2020年、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響によって雇用・失業情勢が悪化しました。
日本では速やかに、雇用維持策、雇用調整助成金の拡充、コロナ禍の影響で離職した方への基本手当給付日数の延長に関する特例措置等が行われたため、諸外国に比べ失業率の上昇を一定程度に緩和するなど、大きな効果を発揮しました。
その結果、失業等給付の安定をはかる「積立金」と不況期に機動的・集中的に支出するための「雇用安定金」が大幅に適用され、財政が逼迫する事態になったのです。
今後の安定的な財政運営の確保のため、労使の負担感も考慮しつつ、失業等給付の雇用保険料率や国庫負担割合の見直しが行われることになり、この度の法改正に至りました。
4月からの雇用保険料率 :9/1000 ⇒ 9.5/1000(一般の事業)
10月からの雇用保険料率 :9.5/1000 ⇒ 13.5/1000(一般の事業)
実務的にはどのような影響があるのか、確認していきましょう。
【年度更新の雇用保険料が上がる(2022年度の概算保険料)】
2022年4月1日〜9月30日に適用される保険料率では、「雇用保険二事業」のみ、0.5/1000引き上げ(事業主負担のみ)となる予定です。
変更されるのは事業所負担のみなので、労働保険料集計の計算には関わってきますが、給与計算には関係しません。
【10月締分の給与計算からは、雇用保険料率を変更しなければならない】
2022年10月1日〜年度末に適用される保険料率では、「育児休業給付」は据え置き、「失業等給付」が4/1000引き上げ(労働者・事業主負担ともに2/1000引き上げる)となる予定です。
事業所負担だけでなく、労働者負担も変更になるので、10月締分の給与から雇用保険料を3/1000→5/1000に変更して控除しましょう。
【従業員負担分の雇用保険料率変更の漏れ防止に注意】
今回は従業員給与の雇用保険料率の変更が10月分からになる予定です。
給与計算担当者は、変更時期と変更率をあらかじめスケジュールにメモしておくなど、対応漏れのないようご注意ください。
【年度更新の対応の変化に注意】
今年度の年度更新は、2021年度確定保険料と2022年度概算保険料を申告・納付します。現時点で、2022年度概算保険料の申告については、
前期(2022年4月1日~同年9月30日まで)
後期(2022年10月1日~2023年3月31日まで)
に分けて、集計した賃金総額の1/2に相当する額と該当期間の料率で計算した額を、2022年概算保険料として申告・納付することが予定されています。
正式な具体的な計算方法や様式については、厚生労働省の発表をお待ちください。
その他にも、以下の内容等が盛り込まれる予定です。
・雇用情勢が悪化し積立金が枯渇している場合には、一般会計から雇用保険に資金を繰り入れできる制度
・会社退職後に企業し、その後廃業した場合に失業手当を受給できる期間が、退職後1年→4年までに延長される制度
雇用保険法 改正の背景
2020年、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響によって雇用・失業情勢が悪化しました。
日本では速やかに、雇用維持策、雇用調整助成金の拡充、コロナ禍の影響で離職した方への基本手当給付日数の延長に関する特例措置等が行われたため、諸外国に比べ失業率の上昇を一定程度に緩和するなど、大きな効果を発揮しました。
その結果、失業等給付の安定をはかる「積立金」と不況期に機動的・集中的に支出するための「雇用安定金」が大幅に適用され、財政が逼迫する事態になったのです。
今後の安定的な財政運営の確保のため、労使の負担感も考慮しつつ、失業等給付の雇用保険料率や国庫負担割合の見直しが行われることになり、この度の法改正に至りました。