Vol.2:『「働き方改革」とは』
社労士法人 RIMONO Work-Life Design代表、
西重剛史(にししげたけし)です。
Vol.2となる今回のテーマは、『「働き方改革」とは…?』です。
よく耳にするワードではありますが、
結局のところ、何をするのでしょうか?
今回は「働き方改革」について、
少し考えてみたいと思います。
学生に聞いた「働き方改革」
今回、私たちの事務所では、
2025年卒の新卒採用にチャレンジしております。
新卒採用は今回が初めてとなり、
「新卒第1期生」と出会うべく、
取り組んでおります。
これまでに、説明会も合わせると、
300人以上の学生に話をさせて頂きました。
そこで、私はいつも、
この質問をぶつけてみます。
—– 『働き方改革』を知っている人いますか? —–
こう聞くと、ほとんどの学生が手を上げてくれます。
そこで、もう1つ質問をします。
—– 『働き方改革』って何をするか知っている人いますか? —–
この質問には、
ほとんど答えられる学生はいませんでした。
“うーん、「働き方」を「改革」するのかなぁ…”
これは学生に限らず、「働き方改革」って、
何がどう変わるか、意外と知られていないのではないでしょうか。
「働き方改革」は何のためか
実は「働き方改革」には、
厚生労働省が作った特設サイトがあります。
「働き方改革」特設サイトURL
https://hatarakikatakaikaku.mhlw.go.jp/
そこに、「働き方改革」について、
下記のような説明がされております。
「働き方改革」は、働く方々が個々の事情に応じた多様で
柔軟な働き方を自分で「選択」できるようにするための改革です。
ポイントは3つです。
①個々の事情に応じた
②多様で柔軟な働き方
③自分で選択できる
少子高齢化が進む日本において、
とても大切な考え方だと思います。
また、少し古いですが、厚生労働省の動画で、
「働き方改革」の意義について説明されています。
さらに、厚生労働省の「働き方改革」のチラシには、
「一億総活躍社会の実現に向けて」と記載があります。
「働き方改革」案内チラシ
https://www.mhlw.go.jp/content/000474499.pdf
うーん、分かったような分からないような…。
もう少し深掘りしてみたいと思います。
「一億総活躍社会」とは
先ほどの記載にあったように働き方改革の目的は、
「一億総活躍社会の実現」にあるとのこと。
では、この「一億総活躍社会」とは一体何なのか、
改めて確認をしてきたいと思います。
こちらの定義は、首相官邸HPに記載がありました。
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/index.html
「一億総活躍社会」とは…?
・若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、
一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会
・一人ひとりが、個性と多様性を尊重され、家庭で、地域で、職場で、
それぞれの希望がかない、それぞれの能力を発揮でき、
それぞれが生きがいを感じることができる社会
・強い経済の実現に向けた取組を通じて得られる成長の果実によって、
子育て支援や社会保障の基盤を強化し、それが更に経済を強くするという
『成長と分配の好循環』を生み出していく新たな経済社会システム
また、「人生100年時代構想について」と、
下記のように記載があります。
一億総活躍社会実現、その本丸は人づくり。
子供たちの誰もが経済事情にかかわらず夢に向かって頑張ることができる社会。
いくつになっても学び直しができ、新しいことにチャレンジできる社会。
人生100年時代を見据えた経済社会の在り方を構想していきます。
こういった構想の実現に向けた、
大きなチャレンジが、「働き方改革」なんですね。
…でも、具体的に何をするのでしょうか?
もう少し詳しく見ていきたいと思います。
「働き方改革」とは具体的に何をするのか
具体的に変わったこととして、
大きなポイントは「法律が変わった」ことです。
主な項目は下記の通りです。
- 1. 時間外労働の上限規制
- 2. 勤務間インターバル制度の導入促
- 3. 年5日の年次有給休暇の確実な取得
- 4. 労働時間状況の客観的な把握
- 5. フレックスタイム制の拡充
- 6. 高度プロフェッショナル制度の創設
- 7. 月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率引上げ
- 8. 同一労働同一賃金(雇用形態に関わらない公正な待遇の確保)
特にインパクトが大きかったのは、
『時間外労働の上限規制』ではないでしょうか。
これまで、実質的には無制限に残業させていた働き方から、
明確な残業の上限時間を定め、罰則もつきました。
このような大幅な労働基準法の法改正は、
実に「約70年ぶり」と言われています。
これまで、この残業上限規制が猶予されていた、
建設事業・運送業・医師なども、適用されます(いわゆる2024年問題)。
「働き方改革」に思うこと
私は個人的に「働き方改革」の考え方は好きですし、
昭和・平成の働き方を刷新するために大きな一歩だと感じております。
様々な施策が行われているものの、
結論としては『しあわせな働き方』ができるかどうか。
ここに尽きると思います。
『しあわせ』の定義は様々ありますし、
ホワイトかブラックかという二軸ではなく、
その人に合った働き方が求められていると感じます。
さらには、「次世代」に向けて、
どのような働き方を創り、残していくのか。
ここも真剣に考え実践していきたいと思います。
「働き方改革」をベースに、過去をリスペクトしつつ、
未来に向けて、持続性のある「しあわせな働き方」を実現していきたいですね。